日本語の教え方

優れた日本語教師になるためのポイントとコツを教えます

007 日本語の教え方:授業の流れ②「時間配分」

前回ちょろっと書きましたが、ウォーミングアップとしての導入部分は5~10分程度がいいでしょう。

 

ではそのあとはどうするか。

そのあとは、(導入部分を採用するかどうかにかかわりなく)好きなように組み立てていいと思います。

 

一つの授業の中で文法の説明と練習をして、さらに漢字も教える、というような場合は比較的自由度が高いですが、何をどの順番でするかなどは、完全にその先生が組み立てていいと思います。

それに、言うまでもなく生徒の学力によっても構成は変わります(話すのが苦手な生徒が多ければ、それに時間を多く割くことになりますね)。

 

ただ、時間配分は事前にしっかり考えておかねばなりません

90分の授業であろうと120分の授業であろうと、その授業でやるべきことがこなせるように、何を何分するか、まさに分単位で組み立てておくべきです。

 

慣れないうちは特に。

 

なぜなら、時間は必ず足りなくなるからです。

 

練習をさせるにしても、しゃべらせるにしても、読ませるにしても、先生が思っているより実際はずっと時間がかかります。

だから、予定の3分の1しかやっていないのに時間切れ、などということがよく起こるのです。

 

けれども、だからといって

スケジュール通りに授業を進めようとして先生が焦ってしまうのはダメです。

また、生徒の質問を、時間がないからと言って答えずに済ますのもダメです。

生徒が十分に理解していないのに先に進むのも、もちろんダメです。

 

でも、これらを誠実にこなしていると時間はいくらあっても足りなくなります。

 ジレンマですね。大変です。

 

だから、「003」でも書いた通り、十分な準備が必要なのです。

十分な準備をすることによって、時間が足りなくなるというような事態を避けられる可能性が高まります。

 

十分な準備とは、例えば生徒の質問を予想するところまで含みます。

 

ここでこういう質問が出るかもしれない、そうしたら、この例文を示して違いを説明してあげよう。

ここまで準備していれば、突然の質問に時間を無駄にすることも避けられます。

 

また、授業中に進捗状況を見て、あまり理解が進んでいないようであれば、用意しておいたもう一つのBプランに変えて、練習をたくさんさせる。

そうすれば、中途半端なところで授業が終わるような事態は避けられます。

 

でも、それでも思った通りには進みません。

必ず時間が足りなくなったり、逆に余ったりすることが起こります。

(時間が余った場合に備えて、常に何かネタを用意しておくことをお勧めします。ゲームのようなものでも、日本に関する知識でも、得意なものを)

 

いつか、やりたい内容を時間内にピッタリ終えられる時が来るのでしょうか。

 

来ます。

 

 それは、準備と試行錯誤と経験がもたらしてくれます。

 

情熱があれば、大丈夫です。生徒の笑顔のため、幸せのために取り組みましょう。